放射線と光合成とタンーオーバーについて

【人の皮膚になぜタンーオーバーがあるのでしょうか】
皮膚の持つ最大の使命は外部環境から体内を守るためです。原始、人は裸で生活していましたので宇宙から来る放射線から皮膚を守ることが最大の問題でした。皮膚の基底層から光合成によりフィトスフィゴシンと脂肪酸が結合してセラミドが誕生することになりました。角質層に水分を閉じ込め放射線の体内影響を防ぐ道ができました。このことを現在で言うバリア機能です。放射線を体内から放出するために、体内の細胞の大きさを様々にする必要から各種のセラミドが誕生しました。これによりタンーオーバーが確立され、アカとして体内の浸入を防ぐ仕組みができたと考えられます。


皮膚からの放射線の除去方法

【皮膚の除染方法】
●最初はよく手を洗う
@水を流しながらセイラマイド石鹸でよく泡立てて手を洗い流します。
A洗面器に水2Lとセイラマイド入浴剤一滴1mLを入れます。そのセイラマイド溶液中で、爪には特に注意して石鹸で泡を立て、両手をよく擦りながら洗います。除染中に爪の中に放射性物質が入り込まないよう、爪は短かめに切っておきましょう。
Bもう一度良く水で洗い流します。

●髪の毛
@ぬるま湯でタオルを湿らせ2,3分から髪の毛全体を覆います。
A髪の毛をよく水洗いします。
B普段の洗浄します。
C水1Lとセイラマイド入浴剤一滴1mLで作ったセイラマイド溶液を髪全体に浸透させます。
眼と唇に汚染水が入りこまないように注意して行います。
【顔の除染をする場合、】
眼と唇,鼻に汚染水が入りこまないように最大の注意して行います。
@個別使用方法の要領でします。

最後セイラマイドクリームで裸身の部分にお塗り下さい。役割を十分果たせると思います。



人と放射線の許容量

日本では現在、放射線の許容線量は
法律によって定められている。1977年の国際勧告をもとに決められたもので、
職業人に対しては1年に50ミリシーベルト(但し、定期的な健康診断を義務づけ、十分な防護措置や遮蔽(しゃへい)環境などが設けられている)
一般人にはその50分の1を最大許容量としている。
アメリカでは原子力発電所の環境基準として、敷地周辺において1年に0.05ミリシーベルト以下、人口大集団での平均では0.01ミリシーベルト以下にすることを1972年に決めた。

1.実際的な影響度
人間は6シーベルト以上の線量を全身に浴びると、ほとんどの場合死亡する。

5シーベルトだと、病院の手厚い看護を受けても死亡する場合が少なくない。

ところが1シーベルト以下だと、ほとんど自覚症状も出ない。

そして0.25シーベルト以下であると、血液検査など通常の臨床検査では異常を認めることができない。

2. 行われている放射線防護
原子力施設や原子力発電所では、放射線被曝をできるだけ低く抑えるために、種々の遮蔽設計が施されている。さらに、施設内の放射線レベルは絶えずチェックされ、放射線管理には細心の注意が払われている。放射線環境下で働く人々は、
フィルムバッジ、フィルムリング、ポケットチェンバー、アラームメーターなどを身につけ、全身および局部的な被曝線量をつねに知ることができる。

フィルムバッジは被曝線量を測定するもっとも一般的な方法であり、特殊フィルムを収めたバッジを衣服のポケットなどにつけておき、一定期間ごとに現像処理することにより、その黒化度からその人が被曝した全線量を知ることができる。

フィルムリングは、
フィルムバッジを指輪形にし、とくに手先の被曝線量を測定することを目的にしている。

ポケットチェンバーは、
イオンチェンバーを万年筆程度の大きさにし、携帯に便利なようにした線量計である。使用前に帯電させておき、一定時間後に放射線によっておこった放電量から被曝線量を直読できる仕組みになっている。
ポケットチェンバーは、フィルムバッジやフィルムリングと異なり、いかなる場所でもすぐに被曝線量を直読することができる。

アラームメーターは、
被曝量が設定値に達したときアラームを発する仕組みになっており、原子力発電所内の放射線レベルの高い場所で作業する場合に用いられる。
ハンドフットモニターは
管理区域の出入口に常設されており、手足の放射能汚染を調べることができる。一定時間の計測後、汚染の有無が表示されるが、アラーム設定値はフォールアウト(地表に降ってくる放射性降下物)の放射能レベルにしてあるのが一般的である。非常に感度のよい検出法が適用されているといってよい。


放射線とは

1.放射線とは
 (放射線とは電離能力を持った粒子や電磁波のことをいいます。)
一般的には電離性を有する高いエネルギーを持った電磁波や粒子線のことを指す。

1.放射線の種類
 ●粒子線(高速粒子線)
 α線:紙一枚で防止できる
α線の正体であるα粒子は、ヘリウム(He)の原子から電子を取り去ったヘリウムの原子核で、電気的性質としてプラスの電気を持っています。
このα粒子が大きな運動エネルギーを持って飛んでいくとα線となります。

 β線:アルミニュウ缶で防止できる
β線の正体は電子でマイナスの電気を持っています。
電子が大きい運動エネルギーを持って発生するとβ線となります。

  n線中性子:ほとんど不可能です。電気を持っていないために透過力が特別に高く、水やコンクリートでないと遮断することが出来ません。
中性子線の正体は原子の中にある中性子で、原子炉の中の核分裂でつくられ、原子力発電にも利用されています。
金属に高速の電子を当てて人工的に発生させる
中性子線やX線などの放射線もあります。
水の中の水素H原子で防ぎます。水からH水素が遊離して気体のHになると危険が発生します。水素爆発します。
●電磁放射線
γ線:防止が難しい。鉛10cm、コンクリート50cm以上必要です
原子核内のエネルギー準位の遷移を起源とするものをガンマ線と呼ぶ.

X線(エックスせん、英: X-ray)は、
物理学では波長が1pm - 10nm程度の電磁波のこと。
軌道電子の遷移を起源とするものをX線。

●単位:シーベルト国際基準は放射線防護の分野で使われる、
【人体が放射線にさらされたとき、放射線が人体にどれくらい影響を与えるかを示す単位を
シーベルト(㏜)といいます。】
人体が吸収した放射線の影響度を数値化した単位である。表記はSvである。

吸収線量値(単位、グレイ)に放射線の種類ごとに定められた係数を乗じて算出する。

 ★グレイ:は吸収した放射線のエネルギーの総量(吸収線量)を表すSI単位である。表記はGyである。
 ★単位質量当りの物質が放射線によって吸収したエネルギーを表す。この単位はすべての物質、あらゆる放射線に適用される。1グレイ=1J/kgのエネルギー吸収と定義される

 ★1.ベクレル(becquerel, 記号: Bq)とは、
放射能の量を表す単位で、SI組立単位の一つである。1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能の量が1ベクレルである。たとえば、370Bqの放射性セシウムは、毎秒ごとに370個の原子核が崩壊して放射線を発している。なお、放出する放射線の強さ(エネルギー)とは異なる。

 ★1ラドは0.01J/kgに相当し、
国際単位系では吸収線量はグレイ (Gy) で表す。1グレイ = 100ラドに相当する。

国際単位系では線量当量はシーベルト (Sv) で表す。0.01シーベルト = 1レムに相当する。









放射線の影響

日常生活での放射線
 私たちは、一年間に平均して2.4ミリシーベルトの自然放射線を浴びているといわれています。
4,000ミリシーベルトの放射線を短時間に全身に浴びると、50%の人が死に至るとされていますが、
この量は、普通の人が1600年かかって浴びる放射線の量に相当します。
つまり、私たちが普段浴びている自然放射線は、極めて少ない量である、といえます。

私たちは体の外部からも内部からも放射線を浴びて生活しています。

私たちが浴びている自然放射線の内訳は
 宇宙から … 0.38 ミリシーベルト
 大地から … 0.46 ミリシーベルト
 食物から … 0.24 ミリシーベルト
 空気中のラドンから … 1.3 ミリシーベルトで、合計約2.4ミリシーベルトとなります。

【私たちが人工放射線を浴びるのは、】
X線写真やCTスキャンなど、ほとんど医療用の場合に限られています。
【人体での影響のメアス】
細胞の放射線感受性は、活発に分裂している細胞ほど高くなり、造血器などの細胞再生系が最も影響を受けやすくなる。
●体内器官の障害
1Gy(グレイ)以上被曝すると、一部の人に悪心、嘔吐、全身倦怠などの二日酔いに似た放射線宿酔という症状が現れる。

1.5Gy以上の被曝では、最も感受性の高い造血細胞が影響を受け、白血球と血小板の供給が途絶える。これにより出血が増加すると共に免疫力が低下し、重症の場合は30-60日程度で死亡する。

5Gy以上被曝すると、小腸内の幹細胞が死滅し、吸収細胞の供給が途絶する。このため吸収力低下による下痢や、細菌感染が発生し、重症の場合は20日以内に死亡する。

15Gy以上の非常に高い線量の被曝では、中枢神経に影響が現れ、意識障害、ショック症状を伴うようになる。中枢神経への影響の発現は早く、ほとんどの被曝者が5日以内に死亡する。
●皮膚の障害
皮膚は上皮基底細胞の感受性が高く、3Gy以上で脱毛や一時的紅斑、7-8Gyで水泡形成、10Gy以上で潰瘍がみられる。

● 目の障害
目の水晶体も細胞分裂が盛んで感受性が高い。2-5Gyの被曝によって混濁が生じ、5-8Gyの被曝で視力障害を伴う白内障となる。

●胎児の障害
受精卵から胎児の間は非常に感受性が高く、受精直後には0.1Gyの被曝で胚死亡に至る。また発達段階によって奇形、知能障害、発育障害などの障害も発生する。このため、妊娠中の女子については腹部の被曝および放射性物質の摂取による内部被曝についてより厳しい防護基準が適用されている